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電子書籍とは?

電子書籍とは、紙の書籍をデータ化してネット上で閲覧できるようにしたものです。パソコン・スマホ・タブレット・専用デバイスなどで文字や画像を表示します。電子書籍は、「電子ブック」「デジタルブック」「Eブック」などと呼ばれることもあります。

 

なお電子書籍は、紙書籍と購入場所や方法が大きく異なります。どちらにもメリット・デメリットがあります。ここからは、電子書籍の概要を詳しく見ていきましょう。

購入場所

電子書籍は、各電子書籍ストアの公式サイト上で購入します。紙書籍のように特定の本屋に赴くのではなく、ネット環境があれば自宅でも外出先でもどこでも購入できます。

ストアによっては専用アプリを配信しているところもあり、アプリ上からコンテンツを購入できる場合もあります。例えば「LINEマンガ」は、ブラウザでもアプリでもコンテンツを購入できます。

購入方法

電子書籍を購入する場合は、始めに利用したいサイトに会員登録をする必要があります。次に、購入したい作品を登録したサイトで探します。購入方法は、ストア上とアプリ上とで多少異なるため、事前に購入方法を確認しておいてください。

電子書籍に多い購入形式は、現金そのままで購入するのではなく、ポイントやコインなどを現金で購入してからコンテンツを入手するパターンです。

電子書籍の購入方法について詳しく知りたい方は「電子書籍の買い方|どこで購入できる?」をご覧ください。

購入料金

電子書籍には、有料作品と無料作品があります。作品によってさまざまな価格が設定されているのは、電子書籍が紙書籍とは異なり、価格維持に関する独占禁止法が適用されないためです。このおかげで価格はサービス提供会社が自由に決定できるようになっています。

著作物の再販制度(再販売価格維持制度)とは、出版社が書籍・雑誌の定価を決定し、小売書店等で定価販売ができる制度です。

ここからは、電子書籍の購入料金について見ていきましょう。

有料作品

有料作品の料金は各サービスにより異なります。一般的には、価格は紙書籍の定価より少し安いです。例えば「鬼滅の刃」1巻の料金をいくつかのサービスで比較すると下記表のようになります。

サービス名 料金
書店価格(紙書籍、定価) 440円
コミックシーモア 380ポイント(418円)
楽天Kobo 418円
honto 440円

数十円単位で安くなることもあるため、数を多く購入する場合はお得です。さらに、各サイトには割引クーポンやキャンペーンが展開されているため、それを利用するとさらに安く購入できる場合もあります。

無料作品

電子書籍では、無料で作品を提供していることもあります。キャンペーンやお試しで無料公開する場合が一般的です。これらのサービスを使うと、面白いコンテンツをタダで楽しめます。

例えば「楽天Kobo」と「コミックシーモア」では、以下のような作品が無料対象となっています。

サービス名 無料漫画例
楽天kobo ・アルキメデスの大戦
・のだめカンタービレ
コミックシーモア ・終わりのセラフ
・キャプテン翼 KIDS

読書形式

購入した作品の読み方には、ストリーミング再生とダウンロード再生があります。これらの読み方は、再生手順やデータを消費するタイミングが異なります。

それぞれの方法にメリットがあるため、状況によって使い分けるようにすると便利です。例えばネット環境が充実している場合はストリーミングで、外出先でネットなしで見たい場合はダウンロードといった具合です。

利用できる端末

電子書籍を利用する際には、各サービスの専用端末は必須ではありません。専用端末には特殊な機能があり便利ですが、わざわざ購入する必要はありません。通常はスマホやタブレットなどの通信機器で利用できます。

ここからは、電子書籍配信サービスに利用できる端末について見ていきましょう。

スマホ・タブレット

電子書籍は、スマホやタブレットで利用できます。サービスの中には、これらのモバイル端末のみでなく、パソコンで利用できるものも多いです。家にいるときはパソコンの大画面で見て、外出先ではモバイル端末で見るといった使い方ができます。

注意点として、各サービスで対応している端末のバージョンは異なります。使用端末によっては対応していない恐れもあります。また、リーダーアプリがAndroidのみに配信していてiPhoneには対応していないこともあります。

登録前に、各サービスのヘルプや規約で対応端末を確認してください。

電子書籍リーダー

一部のサービスでは専用の電子書籍リーダーを端末として発売しているところもあります。例えば、「Amazon Kindle」や「楽天 kobo Touch」などが有名です。

これらの専用端末には独自の機能があり、より読書がしやすい環境を作れます。例としてAmazonKindleには以下のような機能があります。

  • ブルーライトカット機能で目に優しい
  • 防水機能でお風呂やプールでも読める
  • 検索機能で言葉の意味や詳細をその場で確認できる

専用端末は電子書籍サービスの利用に必須ではありません。しかし目が疲れやすい方や水気がある場所で使いたい方など、場合によっては非常に便利です。電子書籍に拘って作品を読みたい方におすすめです。

マルチデバイス(共有)機能

電子書籍では、マルチデバイス機能を利用することで書籍を共有することができます。例えば楽天Koboでは、1アカウントをデバイス数無制限で共有できます。

同じアカウントを家族で使って、全員でさまざまなコンテンツを楽しむという使い方が可能です。別々の場所にいる場合でも、異なるデバイスを使って楽しめます。

電子書籍の共有について詳しく知りたい方は「電子書籍の共有方法|社内・家族・友人間での回し読みや貸し借りの違法性は?」をご覧ください。

電子書籍と紙の本の違いを徹底比較

電子書籍に興味があるけれど、紙書籍とどっちが良いのか判断できずに悩んでいませんか?電子書籍と紙書籍の違いを理解できれば、どちらを選ぶべきか考えやすくなります。

下記の表でそれぞれの違いを簡単にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

項目 電子書籍 紙書籍
価格 安価 定価
持ち運び しやすい しにくい
読みやすさ 端末依存 読みやすい
検索性 高い 低い
所有欲 低い 高い
共有 しにくい しやすい
再販 不可 可能
知識のインプット しにくい しやすい
目へのダメージ 大きい 小さい

今回の記事では、電子書籍と紙の本の違いを「読書体験」「購入費用」「使い勝手」の3つの観点から見ていきましょう。

読書体験

電子書籍

電子書籍では、読書体験を豊かにできるさまざまな機能があります。例えば、作品に複数のしおりを挟んだりコメントを付けたりできます。しおりやコメントは複数の端末で同期できるため、場所や状況を問わずに利用できます。

また文字サイズの調整ができるため、文字が細かい本を読みやすくしたり、図の細かな部分を拡大したりできます。さらに、辞書機能を利用すると文中で気になった単語をすぐに調べられるため非常に便利です。

紙書籍と比較して利便性が高いため、本の内容を楽しむことを重視する方におすすめです。

紙の本

紙の本は所有欲を満たせる点が大きな特徴と言えます。他にも質感や装丁、インクの香りなど紙の本ならではの特徴もあります。作品によっては、裏表紙のおまけイラストなど紙の本でしか楽しめない部分もあります。

ほかにも、電子書籍化されていない作品がある点も紙の本を選ぶ理由となるでしょう。パラパラめくって目的のページを探すなど、本全体を捉えた読み方ができる点も電子書籍とは異なります。また、端末の充電やブルーライトによる目の疲れも気にする必要がありません。

電子書籍にはない魅力があるため、本全体を1つのコンテンツとして楽しみたい方におすすめです。

購入費用

電子書籍

電子書籍の値段は、紙の本と比べて安く設定されている場合が多いです。以下の表はその一例になります。

鬼滅の刃1巻の料金

購入先 料金
書店価格(紙書籍、定価) 440円
コミックシーモア(電子書籍) 380ポイント(418円)
楽天Kobo(電子書籍) 418円
honto(電子書籍) 440円

さらに電子書籍は、値引きセールやクーポン配布などのサービスを活用できる場合があります。例えば、過去の楽天スーパーセールでは、最大20%OFFのクーポン配布や100円で作品を購入できるキャンペーンが開催されていました。

また、ポイント購入時のボーナスなど、購入費用が実質安くなる仕組みがあるサイトも多くみられます。例えば、コミックシーモアは2,000ポイントを購入すると100ポイントが付与されるなど、購入ポイントに応じて特典ポイントが受け取れます。

このように、電子書籍の方が購入費用は安く済むことが多いです。在庫切れがないため、交通費をかけて書店を探し回ったり、希少価値のある本を高額で購入したりする必要もありません。

紙の本

紙の本の値段は、電子書籍と比べて高い場合が多いです。再販制度があるため、書店が独自にセールを開催できないことが原因の一つにあります。そのため、購入にかかるトータルの費用は電子書籍より高くなる傾向にあります。

しかし、紙の本には中古本という選択肢があることを忘れてはいけません。状態を気にしなければ、通常より安く購入できる可能性があります。

電子書籍にも低価格のレンタルという選択肢がありますが、紙の中古本の購入は、本が手元に残り続けるという大きなメリットがあります。また紙の本の場合、希少価値のある本は中古本として売却し、新たな書籍の購入代に充てることが可能です。

使い勝手

電子書籍

電子書籍は端末1つで複数の作品を読めるため、持ち運びの面で非常に便利です。外出先で本を読む際、その便利さをより実感できるでしょう。

また本棚用の場所が必要ないため、部屋のスペースの節約にもなります。つまり、書籍の保管場所を気にすることなく好きなだけ書籍を購入できます。

さらに、書店に足を運ばずに書籍を購入できることも便利な点と言えます。近所に書店がない方にとっては特にありがたいメリットです。

加えて電子書籍は、日焼けや虫食いなど保管状態に関する心配も要りません。購入から時間が経過しても常にきれいな状態で本を読めます。

紙の本

紙の本はサービス終了で読めなくなる可能性がありません。電子書籍のように配信サイトの規模や業績などを気にする必要がありません。そのため、ずっと手元に残しておきたい本は紙の本の方が向いています。

他の人と自由に貸し借りができる点も、電子書籍にはない特徴の1つです。おすすめの作品を友人や知人に薦める機会が多い場合は、紙の本を選ぶ意味は大きくなるでしょう。また紙の本はインテリアとして飾ることもでき、「読む」という範疇を超えて利用することもできます。

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電子書籍のメリット

保管場所(本棚)が必要ない

電子書籍は書物をデータで管理するため、保管場所(本棚)が必要ありません。住んでいる家にスペースがない方は、大量の本の置き場に困ってしまうことがあります。しかし電子書籍はその心配がありません。

場所が必要ないこと以外にも、保管している書籍を他の人に見つかる心配がないこともメリットと言えます。端末に全てデータ化してあるため、誰かが家に尋ねてきても問題ありません。他の人にあまり見られたくない本を持っている方には好都合です。

持ち運びが楽である

電子書籍はデータを一つの端末で管理できるため、かさばらず持ち運びが簡単にできるというメリットもあります。ページ数が多い本、例えば辞書や実用書などは電子形態で持っている方が利便性が高いと言えます。

漫画好きの方も、何巻もの漫画を全てスマホやタブレット1つにまとめられるため、暇つぶしにはもってこいです。

破損や紛失がない

電子書籍は書物をデータ管理するため、紙書籍のように破損や紛失することがありません。汚れることもないため、常にコンテンツを美しい状態で閲覧可能です。

「持ち運びたいけど大切な本だから迷う」という書籍がある場合でも、電子書籍なら不安を抱くことなく書籍を読めます。

自宅で購入できる

電子書籍は書物をネット上で購入できるという特徴があります。わざわざ書店に行く必要がなく、自宅で簡単な操作で購入が完結します。

本屋に行くことが好きである場合や「紙媒体の書籍でないと抵抗がある」という方は別として、家にいながら全て済むのは便利です。本屋が近くにない場合や交通手段がない方にもぴったりです。

在庫切れの心配がない

電子書籍はデータで管理されているため、紙書籍のように在庫切れの心配がありません。「せっかく本屋に行ったけど、人気のあまり売り切れていた」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

データはいくらでも複製できるため、売り切れることは決してありません。人気作を読むのが好きな方には嬉しいサービスです。

紙書籍より安く購入できる

電子書籍は、紙書籍より安く購入できる場合が多いという点もメリットです。それほど大きな差が出るわけではないですが、価格は紙書籍の定価より少し安くなることが多いです。

例えば、大人気漫画の「鬼滅の刃」1巻の料金例は下記の通りです。

鬼滅の刃1巻の料金

購入先 料金
書店価格(紙書籍、定価) 440円
コミックシーモア(電子書籍) 380ポイント(418円)
楽天Kobo(電子書籍) 418円
honto(電子書籍) 440円

上記表から、どのサービスでも紙媒体のより同価格か下回っていることが分かります。各サイトには割引クーポンやキャンペーンがあるため、それらを利用することでさらに安く購入できる場合もあります。

本を多く買う方の場合、電子書籍を何冊か購入するうちに、実質で紙書籍1冊分に相当するほどの安さで作品を入手できる可能性があります。

暗い場所でも読める

電子書籍は電子機器を利用して書籍を読むため、暗い場所でも読めます。スマホやタブレット、あるいは専用端末の画面の明るさを好きなように調整できるため、例えば夕方から夜にかけて外で読むことも可能です。

「暑い夏に夕涼みで外に出て好きな作品を読む」といったことも可能になります。

読んでいる本が周囲にわかりにくい

電子書籍は背表紙がありません。そのため紙媒体の本とは異なり、読んでいる本が周囲にわかりにくいです。

電車の中など向かいに誰かが座っている場合、紙書籍では読んでいるものが相手にばれてしまいます。背表紙を見せないように本を足の上に置くようにすると、今度は両隣から見られてしまいます。

電子書籍ではこのような不便が起きにくいため便利です。

電子書籍のデメリット

目が疲れる

電子書籍では電子機器を介して文字を読むため、紙書籍に比べて画面のライトで目が疲れやすくなることがあります。「スマホをずっと眺めていると目がシバシバしてくる」という方は多いのではないでしょうか。

小説など文字が多い作品を読む場合や、疲れ目の方が使う場合には、多少この点で不便を感じるでしょう。

貸し借りがしにくい

電子書籍は、実際に書籍が手元にあるわけでないため、貸し借りがしにくいというデメリットもあります。友人同士でよく漫画や小説を共有しているという方もいるかもしれませんが、電子書籍ではそれが難しくなります。

電子書籍配信サービスには、複数の端末でデータを共有できる「マルチデバイス機能」があります。この機能を利用することで、1つのアカウントで複数のデバイスから閲覧できます。

ただし、友人など第三者との間でアカウントを共有すると規約違反になる恐れもあります。

中古販売がない

電子書籍は、紙書籍のように中古の販売がありません。中古書店では少し古い漫画などを安く購入できますが、電子書籍では全てが新品です。同じ新品の紙書籍と比較すると安めとはいえ、中古作品との比較ではむしろ電子書籍の方が割高になる可能性があります。

代替え措置として、購入ではなくレンタルを行っているサービスもあります。閲覧期限が決まっているものの、購入よりも安くコンテンツを楽しめるためお得です。「1度読めれば再読できなくても良い」という方にはうれしいサービスです。

電子書籍化されていない書籍もある

著作権の関係上、電子書籍化されていない書籍もあります。紙媒体でしか手に入らないため、読みたい作品をスマホなどに入れて持ち歩くことはできません。

電子書籍のバリエーションは非常に豊富なため、そのような作品はそれほど多いわけではありません。しかし読みたい作品が電子書籍の対象外になっている場合は、わざわざ紙書籍を購入する必要があります。

ネット環境が必要

電子書籍を利用する際は、必ずネット環境が必要です。これは書籍の電子データをやり取りする必要があるからです。

この場合、一度作品をダウンロードしておくと、ネットなしで閲覧することもできます。しかしダウンロード視聴する場合でも、作品を準備する段階ではネット環境が必須となります。WiFiがない場合は、データ量が気になってしまうことがあります。

ページを見比べにくい

電子書籍は、同じ書籍内でページの見比べをしにくいというデメリットもあります。残念ながら2020年7月時点で、同じ画面で複数ページを同時に見られる機能がある電子書籍サービスはありません。

例えば数学の学習をする際に、「参考書の公式が書いてあるページと設問ページを行ったり来たりしたい」という方も少なくないでしょう。電子書籍の場合、少し見にくさを感じてしまうかもしれません。

紙書籍と電子書籍はどっちがいい?

電子書籍と紙の本のどちらが良いかは用途次第と言えます。利用状況や用途に応じて適した読書方法は異なるため、片方のみにこだわっていると損をすることもあります。それぞれが向いている本の用途の例として、以下のようなことが挙げられます。

電子書籍が向いている本の用途例

  • 漫画などメモの書き込みなどをせずに作品を読む
  • 紙の本が絶版になってしまっていて、現在は入手が難しい作品を読みたい
  • 大量の書籍を持ち運びたい

紙の本が向いている本の用途例

  • 本の記述内容を見比べなら読むなど、同時に複数のページを開く必要がある
  • 飛び出す絵本や小口への印刷など、紙の本独自のギミックを活用した作品を読む
  • 社内で書籍を共有して利用したい

用途ごとに、電子書籍と紙の本のどちらが適しているか判断して使い分けることがおすすめです。

漫画や小説を読みたい場合

漫画や小説などを読み切りで楽しむことが多い場合は、電子書籍がおすすめです。その理由としては、何十巻もの本をかさばらずに持ち歩けることが挙げられます。

また、電子書籍サービスには漫画や小説を中心に配信しているサイトが多く、キャンペーンやクーポンを利用するとお得に購入できることが多いのも理由です。

さらに人気作品などの在庫切れの心配がないため、好きなタイミングで最新作・人気作を楽しめます。

英語学習やスキルアップのために参考書を利用したい場合

学習のために参考書を利用したい場合は、紙書籍がおすすめです。同じ書籍内でページの見比べがしやすいため、複数のページ間を見比べる機会が多い参考書の閲覧にはぴったりです。

また、目的のページまで移動がしやすいことや、電子書籍と比べて目が疲れやすく学習に障害をもたらしにくいということも理由として挙げられます。メモをすぐに目的の箇所に取れるのもメリット大です。

さらに、紙書籍で得た情報の方が記憶に残りやすいという研究結果があるのも興味深い点です。

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