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近年市場が大きくなっている電子書籍

近年、書籍市場が変化していて、紙媒体の書籍に代わって電子書籍の市場が大きくなってきています。

紙と電子を合算した出版市場(推定販売金額)は、前年比0.2%増の1兆5,432億円。紙の市場は同4.3%減少しましたが、電子出版が同23.9%増と大きく成長したため、全体の市場は2014年の電子出版統計開始以来、初めて前年を上回りました。出版市場全体における電子出版の占有率は、19.9%。前年の16.1%からさらに上昇し、約2割を占める規模になりました。

ただし利用者は増えているとはいえ、電子書籍は紙書籍と比較してメリットとデメリットがぞれぞれあります。その両方を理解して紙書籍と電子書籍を使い分ける必要があります。

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電子書籍を利用するメリット

保管場所(本棚)が必要ない

電子書籍は書物をデータで管理するため、保管場所(本棚)が必要ありません。住んでいる家にスペースがない方は、大量の本の置き場に困ってしまうことがあります。しかし電子書籍はその心配がありません。

場所が必要ないこと以外にも、保管している書籍を他の人に見つかる心配がないこともメリットと言えます。端末に全てデータ化してあるため、誰かが家に尋ねてきても問題ありません。他の人にあまり見られたくない本を持っている方には好都合です。

持ち運びが楽である

電子書籍はデータを一つの端末で管理できるため、かさばらず持ち運びが簡単にできるというメリットもあります。ページ数が多い本、例えば辞書や実用書などは電子形態で持っている方が利便性が高いと言えます。

漫画好きの方も、何巻もの漫画を全てスマホやタブレット1つにまとめられるため、暇つぶしにはもってこいです。

破損や紛失がない

電子書籍は書物をデータ管理するため、紙書籍のように破損や紛失することがありません。汚れることもないため、常にコンテンツを美しい状態で閲覧可能です。

「持ち運びたいけど大切な本だから迷う」という書籍がある場合でも、電子書籍なら不安を抱くことなく書籍を読めます。

自宅で購入できる

電子書籍は書物をネット上で購入できるという特徴があります。わざわざ書店に行く必要がなく、自宅で簡単な操作で購入が完結します。

本屋に行くことが好きである場合や「紙媒体の書籍でないと抵抗がある」という方は別として、家にいながら全て済むのは便利です。本屋が近くにない場合や交通手段がない方にもぴったりです。

在庫切れの心配がない

電子書籍はデータで管理されているため、紙書籍のように在庫切れの心配がありません。「せっかく本屋に行ったけど、人気のあまり売り切れていた」という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。

データはいくらでも複製できるため、売り切れることは決してありません。人気作を読むのが好きな方には嬉しいサービスです。

紙書籍より安く購入できる

電子書籍は、紙書籍より安く購入できる場合が多いという点もメリットです。それほど大きな差が出るわけではないですが、価格は紙書籍の定価より少し安くなることが多いです。

例えば、大人気漫画の「鬼滅の刃」1巻の料金例は下記の通りです。

鬼滅の刃1巻の料金

購入先 料金
書店価格(紙書籍、定価) 440円
コミックシーモア(電子書籍) 380ポイント(418円)
楽天Kobo(電子書籍) 418円
honto(電子書籍) 440円

上記表から、どのサービスでも紙媒体のより同価格か下回っていることが分かります。各サイトには割引クーポンやキャンペーンがあるため、それらを利用することでさらに安く購入できる場合もあります。

本を多く買う方の場合、電子書籍を何冊か購入するうちに、実質で紙書籍1冊分に相当するほどの安さで作品を入手できる可能性があります。

暗い場所でも読める

電子書籍は電子機器を利用して書籍を読むため、暗い場所でも読めます。スマホやタブレット、あるいは専用端末の画面の明るさを好きなように調整できるため、例えば夕方から夜にかけて外で読むことも可能です。

「暑い夏に夕涼みで外に出て好きな作品を読む」といったことも可能になります。

読んでいる本が周囲にわかりにくい

電子書籍は背表紙がありません。そのため紙媒体の本とは異なり、読んでいる本が周囲にわかりにくいです。

電車の中など向かいに誰かが座っている場合、紙書籍では読んでいるものが相手にばれてしまいます。背表紙を見せないように本を足の上に置くようにすると、今度は両隣から見られてしまいます。

電子書籍ではこのような不便が起きにくいため便利です。

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電子書籍を利用するデメリット

目が疲れる

電子書籍では電子機器を介して文字を読むため、紙書籍に比べて画面のライトで目が疲れやすくなることがあります。「スマホをずっと眺めていると目がシバシバしてくる」という方は多いのではないでしょうか。

小説など文字が多い作品を読む場合や、疲れ目の方が使う場合には、多少この点で不便を感じるでしょう。

貸し借りがしにくい

電子書籍は、実際に書籍が手元にあるわけでないため、貸し借りがしにくいというデメリットもあります。友人同士でよく漫画や小説を共有しているという方もいるかもしれませんが、電子書籍ではそれが難しくなります。

電子書籍配信サービスには、複数の端末でデータを共有できる「マルチデバイス機能」があります。この機能を利用することで、1つのアカウントで複数のデバイスから閲覧できます。

ただし、友人など第三者との間でアカウントを共有すると規約違反になる恐れもあります。

中古販売がない

電子書籍は、紙書籍のように中古の販売がありません。中古書店では少し古い漫画などを安く購入できますが、電子書籍では全てが新品です。同じ新品の紙書籍と比較すると安めとはいえ、中古作品との比較ではむしろ電子書籍の方が割高になる可能性があります。

代替え措置として、購入ではなくレンタルを行っているサービスもあります。閲覧期限が決まっているものの、購入よりも安くコンテンツを楽しめるためお得です。「1度読めれば再読できなくても良い」という方にはうれしいサービスです。

電子書籍化されていない書籍もある

著作権の関係上、電子書籍化されていない書籍もあります。紙媒体でしか手に入らないため、読みたい作品をスマホなどに入れて持ち歩くことはできません。

電子書籍のバリエーションは非常に豊富なため、そのような作品はそれほど多いわけではありません。しかし読みたい作品が電子書籍の対象外になっている場合は、わざわざ紙書籍を購入する必要があります。

ネット環境が必要

電子書籍を利用する際は、必ずネット環境が必要です。これは書籍の電子データをやり取りする必要があるからです。

この場合、一度作品をダウンロードしておくと、ネットなしで閲覧することもできます。しかしダウンロード視聴する場合でも、作品を準備する段階ではネット環境が必須となります。WiFiがない場合は、データ量が気になってしまうことがあります。

ページを見比べにくい

電子書籍は、同じ書籍内でページの見比べをしにくいというデメリットもあります。残念ながら2020年7月時点で、同じ画面で複数ページを同時に見られる機能がある電子書籍サービスはありません。

例えば数学の学習をする際に、「参考書の公式が書いてあるページと設問ページを行ったり来たりしたい」という方も少なくないでしょう。電子書籍の場合、少し見にくさを感じてしまうかもしれません。

紙書籍と電子書籍はどっちがおすすめ?

紙書籍と電子書籍はどっちがおすすめかは、目的により異なります。2つの具体的なケースを比較して、紙書籍と電子書籍はどっちがおすすめか見ていきましょう。

漫画や小説を読みたい場合

漫画や小説などを読み切りで楽しむことが多い場合は、電子書籍がおすすめです。その理由としては、何十巻もの本をかさばらずに持ち歩けることが挙げられます。

また、電子書籍サービスには漫画や小説を中心に配信しているサイトが多く、キャンペーンやクーポンを利用するとお得に購入できることが多いのも理由です。

さらに人気作品などの在庫切れの心配がないため、好きなタイミングで最新作・人気作を楽しめます。

英語学習やスキルアップのために参考書を利用したい場合

学習のために参考書を利用したい場合は、紙書籍がおすすめです。同じ書籍内でページの見比べがしやすいため、複数のページ間を見比べる機会が多い参考書の閲覧にはぴったりです。

また、目的のページまで移動がしやすいことや、電子書籍と比べて目が疲れやすく学習に障害をもたらしにくいということも理由として挙げられます。メモをすぐに目的の箇所に取れるのもメリット大です。

さらに、紙書籍で得た情報の方が記憶に残りやすいという研究結果があるのも興味深い点です。

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