WiMAX(ワイマックス)とポケットWiFiの概要
インターネット回線の多様化に伴い、個人で契約可能なモバイル回線が増えて便利になりました。その反面、専門用語や固有の名称などが多く、サービスごとの違いがわからないと悩む方も多いのではないでしょうか?
特に「WiMAXとポケットWiFiの線引きがややこしく、区別がつかない」という声をネット上で見かけます。WiMAXとポケットWiFiはモバイル回線という点では同じですが、提供元や種類や全く異なります。
この記事では、この2つのモバイル回線の具体的な違いについて比較を交えながら分かりやすく解説していきます。さっそく、それぞれの概要から詳しく見ていきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
WiMAXはKDDIの子会社である「UQコミュニケーションズ」が提供する、高速モバイルデータ通信サービスの名称です。WiMAXは「WiMAX2+」と「au 4G LTE」の2種類の回線を利用しています。
WiMAX2+はUQコミュニケーションズ独自の回線で、au 4G LTEはスマホで利用されている回線になります。それぞれの回線の通信速度や電波の強さを以下表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
電波の種類 | 通信速度 | 電波の強さ |
---|---|---|
WiMAX2+ | 最大612Mbps | 高層ビルなどの障害物に弱い |
au 4G LTE | 最大1.2Gbps | 高層ビルなどの障害物に強い |
WiMAXのプロバイダの違いについて詳しく知りたい方は「WiMAXのプロバイダを徹底比較!おすすめの人気ランキングを特徴別に紹介!」を参考にしてください。
ポケットWiFi
ポケットWiFiとは、元々「Y!mobile」が提供する高速モバイルデータ通信サービスの名称でした。しかしモバイル回線が多様化し、「モバイルWiFiすべてを指す総称」と認識する方が多くなりました。
その結果、現在ポケットWiFiという言葉は、他社のサービスを含めたモバイル回線の総称として浸透しています。
ポケットWiFiの利用回線や通信速度を下表にそれぞれまとめたので、ぜひ参考にしてください。
回線名 | 利用回線 | 通信速度 | 電波の強さ |
---|---|---|---|
Y!mobile | ソフトバンク回線 | 最大866Mbps | 高層ビルなどの障害物に強い |
ソフトバンク | ソフトバンク回線 | 最大988Mbps | |
ドコモ | ドコモ回線 | 最大1.7Gbps |
ポケットWiFiでは、主に各通信事業者のLTE回線を使用しています。そのため、電波は高層ビルなどの障害物に強い傾向があります。また提供エリアも広く、安定した通信が可能です。
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WiMAX(ワイマックス)とポケットWiFiの違いを徹底比較
ここからは、WiMAXとポケットWiFiの違いを4点に絞って比較します。なおポケットWiFiとして、以下主要な4社のモバイル回線を取り上げて比較していきます。
- Y!mobile(ワイモバイル)
- ドコモ WiFi
- ソフトバンク WiFi
- au WiFi
月額料金
WiMAXとポケットWiFiの月額料金を、下表にまとめました。
サービス名 | 通信プラン | 月額料金 | |
---|---|---|---|
WiMAX (公式サイトから申し込んだ場合) |
7GBプラン | 3,696円 | |
無制限プラン | 4,380円 | ||
ポケットWiFi | SoftBank | 7GBプラン | 3,696円 |
Y!mobile | 7GBプラン | 3,696円 | |
無制限プラン | 4,380円 | ||
au | 7GBプラン | 3,696円 | |
無制限プラン | 4,380円 | ||
docomo | 5GBプラン | 6,900円 |
表で比較する限り、docomo以外のサービスでは月額料金に大きな差はないように見えます。しかし、特典やキャンペーンの内容により実質料金は大きく異なります。
ここからは、各サービスの月額料金を詳しく見ていきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
WiMAXは、ポケットWiFiと比較して月額料金が安く設定されています。また、WiMAXでは契約するプロバイダにより月額料金は大きく異なります。具体的な違いを下表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
提供会社 | 月額料金(無制限プランの場合) |
---|---|
GMO WiMAX | 3,480円 |
broad WiMAX | 3,752円 |
カシモWiMAX | 3,938円 |
BIGLOBE | 4,378円 |
「GMOとくとくBB」と「BIGLOBE」では約900円もの差があることが分かります。同じWiMAX回線の利用でも、契約するプロバイダで料金に大きな差が出ます。そのため、プロバイダ選びは慎重に行う必要があります。
なお、auユーザーの場合はスマホセット割が適用され、スマホ料金が最大1,000円割引になります。さらに一部プロバイダでは、キャッシュバックキャンペーンを展開しているものもあります。
お得なプロバイダを選択することで、実質料金はさらにお得になる可能性があります。
WiMAXのプロバイダの違いについて詳しく知りたい方は「WiMAXのプロバイダを徹底比較!おすすめの人気ランキングを特徴別に紹介!」を参考にしてください。
ポケットWiFi
ポケットWiFiはWiMAXと比較すると、月額料金が高い傾向にあります。またSoftBankとdocomoには無制限プランがなく、データあたりの料金はさらに割高となります。
なお、auとSoftBankには携帯(スマホ)とのセット割引があり、携帯料金から最大1,000円割引されます。
しかしポケットWiFiには、キャッシュバックやキャンペーンを行っている契約窓口がありません。そのため、実質料金もWiMAXよりも割高になってしまいます。
回線速度
WiMAXとポケットWiFiの最大回線速度を、下表にまとめました。
サービス名 | 最大回線速度 | |
---|---|---|
WiMAX | 1.2Gbps | |
ポケットWiFi | Y!mobile | 866Mbps |
SoftBank | 988Mbps | |
au | 1.2Gbps | |
docomo | 1.7Gbps |
なお、公表の最大通信速度は理論値であり、実際に利用する場合の速度は通信環境や契約端末で変動します。ここからは各サービスの回線速度について、詳しく見ていきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
WiMAXの通信速度は最大1.2Gbpsであり、ポケットWiFiと比較すると速い回線です。ただし、この最大速度は「au 4G LTE回線」と併用した場合になります。
WiMAX回線自体の最高速度は440Mbpsとなり、利用中のルーターのタイプや機種により異なります。例として各端末の最高速度を下表にまとめましたので、参考にしてください。
ルータータイプ | 機種 | 最大通信速度 |
---|---|---|
モバイルルーター | W06 | 1.2Gbps |
WX06 | 440Mbps | |
ホームルーター | L02 | 1.0Gbps |
02 | 440Mbps |
上記「W06」と「ホームルーターL02」では、au 4G LTE回線の併用をすることで1.0Gbps以上の速度が出ます。一方で「WX06」と「ホームルーター02」はau 4G LTE回線の併用はできますが、通信可能エリアが広がるのみで速度は通常のWiMAX回線と差がありません。
ポケットWiFi
ポケットWiFiの最高通信速度は、回線提供会社により異なります。また、利用端末によっても最高速度に違いが見られます。最高速度はWiMAXに劣りますが、ネットを利用するにあたり不便はない速度です。
基本的にはモバイルルーターよりもホームルーターの方が高速で、通信も安定しています。なお、「Y!mobile」と「docomo」ではホームルーターの提供は行っていません。
各社が提供するルーターとその最大通信速度を、下表にまとめました。
提供会社 | ルータータイプ | 機種 | 最大通信速度 |
---|---|---|---|
Y!Mobile | モバイルルーター | Pocket WiFi 803ZT | 998Mbps |
SoftBank | モバイルルーター | Pocket WiFi 802ZT | 998Mbps |
ホームルーター | SoftBankAirターミナル4 | 962Mbps(一部地域のみ) | |
au | モバイルルーター | Speed Wi-Fi NEXT WX05 | 758Mbps |
ホームルーター | Speed Wi-Fi HOME L02 | 1Gbps | |
docomo | モバイルルーター | HW-01L | 1.28Gbps |
SH-52A | 4.1Gbps |
速度制限
WiMAXとポケットWiFiには、速度制限の面でも違いがあります。各サービスの速度制限の条件と、速度制限後の回線速度を下表にまとめました。
サービス名 | 条件 | 回線速度(速度制限) | |
---|---|---|---|
WiMAX | 3日間で10GB(無制限プランの場合) | 1Mbps | |
ポケットWiFi | SoftBank | 1か月で50GB | 128Kbps |
docomo | 1か月で30GB | 1Mbps | |
au | 3日間で10GB(無制限プランの場合) | 1Mbps | |
Y!mobile | 3日間で10Gb(無制限プランの場合) | 1Mbps |
ここからは、速度制限の違いについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
WiMAXの無制限プランでは、3日間で10GBの通信をすると速度制限がかかります。速度制限後の回線速度は1Mbpsとなります。
制限中の1Mbpsの状況でも、LINEやメールなどは問題なく利用できます。またYouTubeは、普通画質であれば途切れることなく視聴できます。なお、通信量が多いオンラインゲームではラグが発生してしまう可能性が高いです。
注意点として、「7GBプラン」または「au 4G LTE回線」を月7GB以上利用した場合は、128kbpsまで速度制限されます。
128kbpsの通信速度では、LINEやメールのメッセージ送信ですらままならない状態になります。実質使い物にならないレベルの速度になるため、制限がかからないよう細心の注意が必要です。
なお、無制限プランでも「au 4G LTE回線」を7GB上限まで利用すると、通信制限の対象となります。
ポケットWiFi
ポケットWiFiの速度制限は、提供会社により異なります。
例えばSoftBankの最も通信容量が大きいプランは、月に50GB使用すると速度制限が発生します。速度制限後は128kbpsまで速度が低下します。WiMAXと同様に128kbpsは、実質使い物にならない速度です。
また、docomoの最も通信容量が大きいプランでは、月に30GB以上利用すると速度制限がかかります。他にはauとY!mobileでは、3日間で10GB利用すると速度制限が課されます。
なお、docomoやau、Y!mobileの速度制限後の通信速度は1Mbpsです。WiMAXと同様にオンラインゲームや高画質の動画を再生しない場合は、問題なく回線を利用できる速度になります。
提供エリア
WiMAXとポケットWiFiのそれぞれの提供エリアを、下表にまとめました。
サービス名 | 人口カバー率(※) | |
---|---|---|
WiMAX | 90%以上 | |
ポケットWiFi | au | 90%以上 |
SoftBank | 99%以上 | |
Y!mobile | 99%以上 | |
docomo | 99%以上 |
※光回線のエリアが、どれだけの国民をカバーできているかを表している指標
中には都市部から離れた地域では、利用できないサービスもあります。ここでは、それぞれの提供エリアについて詳しく見ていきましょう。
WiMAX(ワイマックス)
WiMAXの人口カバー率は90%を超えており、都市部であれば基本的に問題なく利用可能です。しかし、山間部など一部利用不可能な地域もあります。お住まいの地域が提供エリアか知りたい方は、公式サイトから確認できます。
ポケットWiFi
auを除いたポケットWiFiは、人口カバー率が99%以上と広範囲のエリアに対応しています。なお、auの提供エリアはWiMAXの提供エリアと同一です。
SoftBankやY!mobile、docomoのポケットWiFiは全国ほとんどの地域で利用が可能です。しかし、立地状況によっては回線が届かない場合もあるため、それぞれの公式サイトで確認しましょう。
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WiMAX(ワイマックス)とポケットWiFiはどっちがいい?
ここまで紹介したように、WiMAXとポケットWiFiにはそれぞれ特徴があります。しかし「自分はWiMAXとポケットWiFiのどちらを利用した方がいいのか分からない」という方も多いと思います。
そのような方のために、ここからはそれぞれのサービスがおすすめの人を紹介します。
WiMAX(ワイマックス)がおすすめな人
WiMAXは、「月額料金を少しでも安く抑えたい方」や「高速回線をお得に利用したい方」におすすめの回線です。
WiMAXを利用すると、月額最安値でモバイルWiFiが利用できます。各プロバイダごとにキャッシュバックキャンペーンを行っており、トータルの料金がお得になります。
また、最大1.2Gbpsの高速通信を月額1,008円で利用できます。ポケットWiFiでも、1.2Gbpsの通信が利用可能である事業者はありますが、WiMAXと比較して料金が割高になります。
おすすめのWiMAXプロバイダを詳しく知りたい方は「内部リンク:wimax 比較(プロバイダ)」も参考にしてください。
ポケットWiFiがおすすめな人
ポケットWiFiは、「WiMAXの提供エリア外の方」や「ソフトバンクユーザーの方」におすすめです。
ポケットWiFiの人口カバー率は99%以上であり、WiMAXが提供エリア外にお住まいの方でも利用できる可能性が高いです。また障害物に囲まれた場所でも、LTE回線であるため安定した通信ができます。
またポケットWiFiは、ソフトバンクユーザーがスマホセット割を利用できる唯一のモバイル回線です。月額1,000円の割引になるためお得になります。
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